【介護の仕事は底辺なのか？】”政府公認”低スキルの仕事らしい

この記事は４分で読めます。

他の業種から介護職に転職を検討している方
あるいは現在、マジメに介護職に取り組んでいる方

このように考えてしまうこともあるのでは？

重労働となる現場にいながら一向に評価の上がる気配がない介護の仕事。

世間では３K（汚い・給料安い・気持ち悪い）といわれます。

しかし、実際に現場で働いている立場としては３Kが底辺といわれる原因ではないと思います。

こんにちは。
医療現場で約１０年勤務、今は大阪のとある介護施設（デイサービス）で機能訓練指導員として勤務（たぶんホワイトな職場）する管理人kennyです。

先日、以下のツイートをしました。

介護の仕事が底辺といわれるのは３K（（汚い・給料安い・気持ち悪い）だけが原因ではなく

政府の認識
ドロップアウトした人が多いという印象
ブラックな職場
お金が動かない

が理由で底辺の扱いになっている気がする。

上（政府）が介護の仕事をテキトーな扱いしていたら誰もやらないでしょ。

— ケニー@WEBで生きるセラピスト（柔整、鍼灸） (@kenji_2nd) May 30, 2020

実際に現場にいて思うことは、そんなにネガティブな印象はないけど大きくお金を稼ぐことはムズかしいといった感じです。

それでは詳しく見ていきたいと思います。

関連記事：【介護職】なぜ低収入？現場目線で考えてみた～介護保険制度の問題～

介護の仕事は”政府公認”低スキルな仕事らしい

政府が医療＆介護（福祉）といった対個人サービスは低スキル（誰でもできる、生産性が低い）と認めているようです。
（成長戦略実行計画案 令和元年 6月5日）

政府公認の低スキルといわれる仕事を誰が進んでやるのでしょうか？

介護人材不足の解消には程遠いですね。

2020年度で約26万人
2025年度では約38万人の介護職員が不足 と予測。
参照元：2025年に向けた介護人材にかかる需給推計（確定値）
厚生労働省HP　

ネットで調べてみると、介護事業所の約7割が人手不足のようです。
参照元：介護事業所、67%が「人手不足」と回答　悪化止まらず　ヘルパーは8割超

成長戦略実行計画案を読み進めてみると

第４次産業革命が進むと、創造性、感性、デザイン性、企画力といった機械やAI
では代替できない人間の能力が付加価値を生み出すようになる。

成長戦略実行計画案より

との記載があります。

”機械やAIでは代替できない人間の能力”

となってますが医療や介護の現場作業はAIに置き換えられないのでは？

まあ現場作業＝低スキルと考えているのでしょう。

この考えに至る方々はさぞかし高スキルの持ち主ということでしょうか・・・

「単純労働」なんで外国人労働者でテキトーに補えばいいという考えなのでしょう。

ヤフー知恵袋の意見

ポジティブな意見を探すのはむずかしいですね・・・

人間関係が悪い、という点については医療現場でもよくあること（自分の経験上）だし、なにも介護職だからというものではないと思います。

介護の仕事はドロップアウトした人が集まりやすい？

知恵袋にあった意見の一つとしてリストラや職場の倒産により「仕方なく」介護職を選ぶ方もいるようです。

またほかの仕事で上手くやっていけなかった結果、介護を選ぶケースも。

訳アリ
能力がない

などで一括りにされている印象。

ですが、個人的な意見として介護の仕事は「セーフティネット」の役割を果たしている感じます。

収入を得る機会がなくなったら生きていけませんからね。

介護の仕事はブラックな職場が多い？

この点については経営側の問題もありますね。

• 利益だけを求めて職員に還元しない
• とにかく人員を削る（経費削減）
• サービス残業当たり前
• 利用者の暴力、暴言を職員のせいにする・・・etc

闇が深いようです。

個人的にはそういう職場はさっさとやめるべきだと考えています。

消耗するだけムダですよ。

時間がなくても転職エージェントを利用すれば、求人情報を知らせてくれますよ。

医療現場＆介護の現場で働いて感じたこと

医療現場と比較して気になったことは以上の２点です。

”患者”と”利用者”のちがい

通院自慢はよく耳にします。

ドクターと長い付き合いなど１つのステータスとして話をされる方も。

• 医療サービス＝自分でできないこと
• 介護サービス＝自分が以前できたこと

といったことで介護の仕事は特別感が出ない仕事とも言えそうです。

身近な存在という弊害かもしれません。

とはいえ介護の仕事は利用者の日常生活に溶け込む必要があるでしょう。

介護の仕事は”お金が大きく動かない”ので収入が低くなる

医療については国や製薬会社などが関わることで、お金が大きく動く仕事といえます。

収入をあげたければ、お金の流れがあるところに身を置く必要があります。

（施設を建てる時に建築会社が関わるのは医療も介護も共通なので省略）

やはり国のバックアップと製薬会社の存在はかなり大きいですね。

じゃあ介護についてはどうかというと・・・

財団法人などからお金は出ているようですが、医療の分野における研究と比べたら少ないのが実際のところ。

医療・・・５００万円～１０００万円
介護・・・１００万円～２５０万円
（いずれも一件あたり）

参照元：
公益財団法人 国際科学技術財団
一般社団法人 医療経済研究機構 研究助成制度

あとは介護用品などの業者が関わるくらいしか思いつきません。

また介護福祉士の養成学校に受かるための予備校なんて聞いたことがないですよね。

ビジネスとしての医療と介護の差は大きいのが実際のところでしょう。

整形外科勤務時代に誰もが聞いたことのある製薬会社主催のセミナーに参加したことがあります。
場所はとあるホテルの一室。

終了後には立食パーティーのような会場に案内され、さらにはカタログギフトまでいただきました。
それくらいお金をかけても元がとれる可能性があるということですね。

ちなみにセミナーの内容は医師向けの内容（人工関節のあらたな手術方法、腰痛治療にかかわるガイドラインなど）

まとめ

３K以外にも、これらの要因が重なり「底辺」という位置付けになっているでは？

と感じてしまいます。

残念ながら現状をいち個人で変えるのはむずかしそうです。

少しでも良い条件で働ける場所を探すことが大事になりますね。

少しでもイイ環境で仕事がしたい！でも・・・

そんな方には転職エージェントの利用がオススメ。
（無料で利用＆登録できます）

武器になる哲学　人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト：著者　山口　周

では「パラノとスキゾ：フランスの哲学者　ジル・ドゥルーズ」の章で以下ように書かれていました。

「逃げる」のは「勇気がない」からではありません。逆に「勇気がある」からこそ逃げられるんですよね。

転職は「逃げ」ではありませんよ。
「自ら選択する」という勇気ある行動です。

思考停止でなにも行動を起こせない時、それこそ本当に逃げている時ではないでしょうか？