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介護施設で働いているけど世間からの評価はどうも低く見られがち・・・
ヒトの命を預かる立場だし、フツーに重労働なんだけど・・・
こんにちは。
医療現場で約10年勤務、今は大阪のとある介護施設(デイサービス&有料老人ホーム)で機能訓練指導員として勤務(たぶんホワイト)する管理人kennyです。
重労働、低所得のイメージが定着してしまい世間からの評価が低い「介護職」
僕自身、以下のようなことがありました。
医療現場(整形外科)で勤務していた時の周りの反応
→「へー、そんな仕事していたんだ」
介護施設に勤めてからの周りの反応
→「え?あー、そうなんだ・・・」
なぜなのか?
以下、午前中にしたツイート。
介護という仕事はほかの業種に比べて評価がムズかしい気がします。
実際のところ、トラブル(事故や虐待など)がなければ一定の役割を果たしているといえそうですが・・・
介護保険が絡む以上、利用者には同じ金額で公平なサービスを提供する必要があります。
ある意味、日本らしいサービス提供の形かもしれません。
医療現場と介護施設、どちらも経験した立場としては「介護の仕事は評価が難しい」ことがいちばんの原因かなと思います。
医療サービスと比較してみていきたいと思います。
関連記事【介護職】なぜ低収入?現場目線で考えてみた~介護保険制度の問題~
介護の仕事は他の仕事に比べて評価がムズかしい?
そもそも「良い介護」の基準となると曖昧な部分が多くなります。
ある程度、経験を積んでいけば基本的な作業はできるようになり相応のスキルも身につく方が多いはず。
ここからが問題。
現場にいて思うこととして
介護の仕事はスキルが「一定の水準」に達してしまったら、そこからの上乗せがムズかしいのかな?と感じています。
なぜなら「基本的な作業(スキル)」以外の部分で求められるものは利用者によって大きく変化するからです。
様々な利用者が1つの施設に集まりサービスを受けることに。
そこには
- 話したいヒト
- そっとしておいてほしいヒト
- 食事だけで満足できるヒト
- 認知症のヒト
となると、それぞれが求める個別のサービスを提供することがムズかしいんですよね。
全員に同じサービスを提供しているつもりでも満足するヒト、不満のあるヒトに分かれることも。
さらには利用者と職員の相性でも評価は変化します。
訪問介護なら個別に対応できますがサービス内容は原則、決められた範囲内でしか行えません。
特徴を出すとなると個人のキャラクターが重要かも?
利用者それぞれの価値観や求めるモノがちがうため同じようにしていては評価がムズかくなりますね
関連記事:【介護の仕事は底辺なのか?】”政府公認”低スキルの仕事らしい
介護サービスと医療サービスを比較してみる
- 資格や免許が必要
- カタチに残る
- ステータス化
対個人のサービスとして「介護」と近い存在でもある「医療」。
どちらの現場も経験した立場として、介護と医療を比較した時に思いついたのは以上の3つ。
これらの基準をもとにみていきたいと思ます。
資格や免許が必要?
- 医療職においては「業務独占」の職種が存在する
- 介護の仕事は資格がなくてもできることが多い
- 介護の仕事はあくまでも日常生活の支援(特別感がない)
医師免許、看護師免許をはじめ医療職においては「業務独占」があります。
業務独占とは?
カンタンに説明すると免許をもっていなければ特定の業務ができないこと。
例)
注射や点滴を患者に行う→医師および看護師しかできない
もし無免許で行った場合は50万以下の罰金
一方、介護現場においては資格がなくても可能な業務が多くなってます。
※一部の医療的ケア(喀痰吸引、経管栄養など)は介護福祉士の資格により可能:要研修)
特別な資格や免許がなくてもできる仕事という認識から、医療職に比べて立場が低く見られがちというのが実際のところです。
(介護の現場において資格が生きるのは人員基準を満たすために使われるときだけ?)
また介護の仕事はあくまでも日常生活の支援なので「もともと自分がやっていたこと」を代わりにやってもらうことが多くなります。
となると利用する側にとっても「特別感」が薄れることもあるでしょう。
特定のヒトを特別扱いしたらクレームになります。
関連記事:【看護師&介護士】”やさしさ”だけでは豊かになれない?
カタチに残るものがあるか?
- 医療:診察券、クスリ、検査結果、注射の跡、処置後の包帯など
- 介護:?
医療サービスであれば
診察券
クスリ
検査結果
注射の跡
処置後の包帯など
目にみえるモノが患者の手元や身体に残ります。
これらによって”良い、悪い”といった評価がしやすくなります。
骨折後のギブス処置、包帯処置はずっと患者さんの目に入るから丁寧にするように、と整形外科のドクターからよく言われました。
なにか見せれるモノがあれば口コミもしやすくなりますよね。
一方、介護サービスについてはモノよりも感情(楽しかった、居心地がイイ、安心感がある・・・など)を動かすことのほうが求められる印象です。
そもそも介護施設でないと提供できないモノはないはず。
カタチに残らないだけに
- 個人的な主観が大きく変化する
- 良いサービスを提供しても入居施設に入っていれば外には伝わりにくい
ことから判断する材料が医療サービスに比べて少ないといえるでしょう。
利用することでの「ステータス化」
やはり「医者」=特別な存在
となります。
特別な人物と関わることはある意味一つのステータス。
高齢者に限らず通院していることを自慢するように話す方は結構見かけます。
聞いている側としては「ドクターとの付き合い」をアピールしているのかな?
と感じることも。
(別に悪いことではありませんが)
対して
介護職員=特別なものではない
といったことからステータス化はムズかしいでしょう。
良くいえば身近な存在となっているともいえますが・・・
人間は本能的にマウントをとりたがる生き物なので、自慢するのは当然ともいえます。
まとめ
以上、【介護の仕事】世間の評価が低い理由~現場目線で考えてみた~についてまとめてみました。
介護保険が絡む以上、利用者には同じ金額で公平なサービスを提供する必要があります。
お金をたくさん払ってもらえるとしても、過剰なサービスの提供ができない介護の仕事。
差別化がムズかしく評価基準も曖昧なものとなります。
日本ならでは?の同町圧力が形になったサービスかもしれませんね。
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