
親と同居していて気がつけば自分も50代。
幸いなことに親は今のところ大きな病気はしていないとしても、最近は足元がふらついたり、怒りっぽくなったり、ときどき物忘れが以前にくらべて多くなったり…
こんにちは、kennyです。
医療機関(主に整形外科)で約10年、現在は介護施設(デイサービス、有料老人ホーム)にて機能訓練指導員+介護職員として勤務しています。
※2021年6月くらいからフリーランスのセラピスト(柔道整復師、鍼灸師)として活動予定です。
少しずつ年老いていく親をみて「漠然とした不安」を持つ方もいるのではないでしょうか?
ボク自身はそんな親に対して少なからず不安を感じています。
もし介護が必要になれば
- 時間的拘束
- 肉体的な負担
- 精神的な負担
- 金銭的な負担
にくわえて、親が脳卒中など突然、発症する病気にかかれば「介護離職」なんてことも。
とくに仕事を中心に生きてきた男性にとっては収入減がなくなり、プライドまで傷つくこともあるでしょう。
その結果、「介護疲れ」によって自分の体まで壊してしまうかもしれません。
しかし、親が年齢を重ねる以上「介護の問題」は避けて通れない問題。
そんな不安や問題を解消し、「介護離職」なんてことにならないために入居施設の利用を検討するべきです。
そこで、確認するべきポイントは2つ
- 入居施設を利用した時の費用
- 親が「在宅介護」を希望した場合の対処法
人間というものは「知らない」ことに対して不安を感じます。
そのためにも、上記の2点をしっかりと確認しておきましょう。
今回の記事を参考にしていただければ
金銭的な不安
精神的な不安
を少しでも抑えることができるでしょう。
入居施設を利用した時の費用は?~介護離職をしないために~

費用がわかれば、親の年金、貯蓄を考慮したうえで入居施設を選びやすくなります。
入居施設を利用した時の費用は施設にもよりますが、1か月で10万~30万ほど。
参考:ちなみにボクの職場では、利用者が施設へ支払う1か月の費用は「15万前後」となっています。
あわせて、医療費やその他の生活費(理美容代、外出時の食事代など)の3~5万が加わると思っておきましょう。
それでは高齢者の主な入居施設となるのは以下の4つ。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 住宅型有料老人ホーム
それぞれみていきましょう。
基本的に特養は「介護度3以上」でないと入居できないと思っておきましょう。
(認知症のケースでは入居可能な場合も)
その他の施設では要支援から受け入れ可能、要介護1から受け入れ可能と施設によって基準が変わります。
特別養護老人ホーム
費用の目安
1か月の費用:10万~12万ほど(介護保険が1割負担の場合)
入居一時金:公的機関なので無料
多床型(相部屋)か、個室で費用が変わります。
費用1か月分の内訳
多床型(相部屋)
- 居住費:2~3万円
- 食費:4~5万
介護保険の利用料 2万円(介護度による)
合計:約10万円
個室型
- 居住費 :5~6万
- 食費:4~5万
介護保険の利用料:2万円(介護度による)
合計:約12万円
特養の1か月の生活費を含めた1か月の費用はほど「12~15万」ほど
その他、医療費や生活費(理美容代、日用品など)とあわせると1か月で12~15万ほどとなるでしょう。
費用が抑えられる反面、入居待ちの期間が長く「2年、3年待ち」はめずらしくないのが現状です。
(それでも以前にくらべたら少なくなっているとのこと)
在宅復帰を目的とした施設です。
利用する方は、身体の調子は落ち着いているけど注意が必要な高齢者。
のちのち在宅介護が必要となるでしょう。
入居期間は最大3ヶ月で 費用は特養と同じくらいになります。
公的サービスのため入居一時金はありません。
参考までに。
介護付き有料老人ホーム
民間施設のため、施設によって費用は大きく変わるケースもあります。
費用の目安
- 1か月の居住費:10万~25万(※)
- 入居一時金:0円~数億円と幅が広い
(※)施設利用料、管理費、食費などがふくまれます。
また、入居一時金の扱いは施設によって様々です。
返却される施設もあれば、されない施設もあるのでご注意ください。
介護付き有料老人ホームの生活費を含めた1か月の費用は「15~30万円」ほど
その他、医療費や生活費(理美容代、日用品など)をあわせると1か月の費用は20~30万円となるでしょう。
施設や地域にもよりますが、上記のような内容となっています。
特養にくらべると費用は高いぶん、入居待ちの期間は短く利用しやすいといえますね。
✔参考:大阪府堺市のとある介護付き有料老人ホームの費用
- 入居一時金:5万
- 1か月の費用:18万
その他、介護保険料を2万円として医療費、生活費がくわわると月額は22万円ほどとなりそうです。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
利用者にとっても自由度の高いサービス付き高齢者向け住宅ですが、こちらも民間施設のため施設によって費用は大きく変わるケースもあります。
費用の目安
- 1か月の居住費:10~20万円(※)
- 入居一時金:20~25万円
(※)施設利用料、管理費、食費などがふくまれます。
入居一時金は敷金として支払うので、退去時には返ってくることになります。
サービス付き高齢者向け住宅の生活費を含めた1か月の費用は「15~30万円」ほど
介護サービスについては特定施設入居者生活介護の指定を受けた一部の施設を除き、介護サービスは外部の契約となります。
そのため介護サービスを利用する場合は、上記に加えて2万円ほどの介護保険料が必要です。
- 介護サービスがあまり必要ない:10~15万円ほど
- 介護サービスが必要:15~20万円ほど
その他、医療費や生活費をあわせると1か月の費用は15~30万円となるでしょう。
このように、介護付き有料老人ホームと同じくらいの費用になることが多いようです。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)という名前から介護施設と思いますが、実際には「高齢者向けの賃貸住宅」です。
サ高住の「サービス」とは見守りをふくめた安否確認や生活の相談くらいに思っておきましょう。
そのため、介護サービスを利用したければ、基本的には外部から訪問介護という形でサービスを利用することになります。
しかし、実際には施設に併設されているデイサービスや訪問介護の事業所があるので介護付き有料老人ホームと似たような生活が可能となります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームも民間施設のため、施設によって費用は大きく変わるケースもあります。
費用の目安
- 1か月の居住費:10~20万円
- 入居一時金:20~25万円
(※)施設利用料、管理費、食費などがふくまれます。
一時金は敷金として支払うので、退去時には返ってくることになります。
(あるいは、数年後に利用料として使うことも可能)
一時金は、入居後の家賃として月々償却できるため、月々の支払いの一部を前払いしているといえますね。
もちろん入院や死亡で退去となった場合は返ってきます。
最近は入居金0円の施設ありますが、その分、毎月の利用料は高くなる傾向にあります。
住宅型有料老人ホームの生活費を含めた1か月の費用は「20~30万円」ほど
サービス付き高齢者向け住宅とおなじく介護サービスを利用する場合は、外部との契約となり上記の費用に加えて2万ほどの介護保険利用料が必要となります。
その他、医療費や生活費をあわせると1か月の費用は20~30万円となるでしょう。
介護サービスを利用することが前提となっている→住宅型有料老人ホーム
介護サービスの利用は本人次第→サービス付き高齢者向け住宅
となります。
(ちなみに介護付き有料老人ホームもその名の通り「介護サービス」の利用が前提です)
しかし、実際のところ「介護サービスの利用」については外部と連携しているケースが多いため、利用する側にとって大きなちがいはないでしょう。
また外出や来客など、自由度は「サービス付き高齢者向け住宅」は高い反面、病気などで介護度が高くなれば退去を求められることもあります。
親が「在宅介護」を希望した場合

訪問介護サービスや日中のデイサービスを利用すれば、食費などあわせて1か月の費用は10~12万ほどになるケースが多いでしょう。
しかし、個人的な意見としては親の介護を負担に感じているなら「入居施設の利用」をオススメします。
現在の日本では「親の介護を理由に仕事を休む」といった考えは、まだまだ受け入れられないのが現実です。
入居施設が利用できるなら「親の介護」よりも「自分のこと」を選ぶべきです。
「親の介護」を優先した未来
- 介護離職
- 介護疲れによる「うつ」
- 介護虐待、殺人
は身近な問題となり、介護する側にとって大きな負担となります。
親の希望よりも、介護する側の自分の希望を優先しましょう。
厚生労働省の調査によると、家族や親族が虐待者となるケースは「86.9%」
虐待者(加害者)のほとんどは身内、家族ということですね。
(厚生労働省:平成 30 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果より)
また以下のようなデータもあります。
警察庁の犯罪統計によれば、2007年から2014年までの8年間に「介護・看病疲れ」を動機として検挙された殺人は356件、自殺関与は15件、傷害致死は21件であった。
nippon.comより引用
在宅介護をする以上、加害者が身内や家族になるのは当然かもしれません。
まとめ
1か月の費用、入居一時金をまとめると以下のようになります。
特別養護老人ホーム(特養)
1か月の費用:10~12万 入居一時金:なし
有料老人ホーム
1か月の費用:20~30万 入居一時金:0~数億円
サービス付き高齢者向け住宅
1か月の費用:15~30万(※) 入居一時金:20~25万
住宅型有料老人ホーム
1か月の費用:20~30万 入居一時金:20~25万
原則、介護サービス、医療費および生活費をふくむ。
※15万円は介護サービスを利用しない場合の相場。
こうしてみると特養以外の施設については、月額利用料は大きく変わらないケースもありそうです。
費用がわかれば、親の年金や貯蓄からどの施設が利用できるか?が明確になりますね。
施設を選ぶ条件はいろいろありますが、おカネの問題がクリアできなければ選択肢そのものがない状態です。
お金の問題がクリアできるなら、あとは在宅介護か入居施設か?
最後は「介護する側」にとってメリットの大きい方を選びましょう。
”入居施設の利用を考えている方へ”
老人ホーム検索サービスがあることをご存知でしょうか?
”無料”で資料請求や見学が可能となっているので参考にしてみてください。
以下のサービスを利用すれば、各地域の施設はもちろん、必要な費用や空き状況が確認できますよ。
LIFULL介護
シニアのあんしん相談室
みんなの介護
コメント