
「超高齢化社会」をむかえる日本において、切り離すことのできない介護の問題。
このページを読まれている方でも
- 高齢のご家族がいる
- 自身が介護を必要としている
なんてこともあるでしょう。
こんにちは、kennyです。
医療機関(主に整形外科)で約10年、現在は介護施設(デイサービス、有料老人ホーム)にて機能訓練指導員+介護職員として勤務しています。
※2021年6月くらいからフリーランスのセラピスト(柔道整復師、鍼灸師)として活動予定です。
ボク自身は小学校高学年~中学生のあいだに、祖母の在宅介護を経験しましたが
ハッキリいって大変ですよ?
しかし「介護の問題」は生きている以上、ほとんどのヒトが直面します。
そこで今回は、知っておくべき在宅介護の現実でもある「介護虐待」についてみていきたいと思います。
「男女によるちがい」が確認できるデータもあるので参考にしてみてください。
知っておくべき在宅介護の現実~介護虐待~
介護虐待の特徴として
- 家族間による虐待がほとんど
- 被害者になるのは女性
- 加害者は男性が多い
があげられます。
普段でも、テレビやネットで「介護虐待or殺人」のニュースを見かけることは多いはず。
介護施設などで虐待があったなら「介護職員がけしからん!」といわんばかりに報道されることも。
しかし以下のグラフを見ると


身内の介護者(養護者) 1万7,429件
施設の職員など 621件
とかなりの差がありますね。
(グラフおよび件数の参照:厚生労働省「平成 30 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果より)
加害者が身内となるケースは86.9%
平成30年度のデータですが、厚労省よると虐待者(加害者)が身内となるケースは「86.9%」
内訳としては
息子:39.9%
夫:21.6%
娘:17.7%
この数字からも、圧倒的に「身内による虐待」が多いことがわかります。
「被害者は女性」が多く「加害者は男性」が多い
虐待被害者の割合
女性:76.1%
男性:23.9%
対して、加害者は?
息子:40.3%
夫:21.1%
娘:17.4%
加害者は男性が多いことがわかりますね。
参照:厚生労働省「平成 30 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果より
虐待の発生要因
虐待者の介護疲れ・介護ストレス:2,447 件(25.4%)
虐待者の障害・疾病:1,757 件(18.2%)
「介護疲れ、ストレス」が約4分の1をしめています。
しかし「虐待者の障害、疾病」も介護によるストレスが原因となり発生しているケースもあるのでは?
とくに男性は介護に慣れていない、もっといえば「他人の身の回りの世話」ができないヒトが多いのかな?と予想されます。
その結果、ストレスがたまり精神的に不安定になってしまうのかも?
この仮説が正しいのであれば、男性はもっと女性を見習う必要がありそうです。
他人の「身の回りの世話」は、妊娠、出産を経験できる女性の本能、あるいは特別なスキルかもしれませんね。
介護疲れによる殺人事件
警察庁の犯罪統計によれば、2007年から2014年までの8年間に「介護・看病疲れ」を動機として検挙された殺人は356件、自殺関与は15件、傷害致死は21件であった。介護殺人に見られる明らかな特徴の一つは、被害者は女性が多く、加害者は男性が多い点である。
nippon.comより引用
「介護疲れ」を理由に1年間で40件ほどの殺人事件が起きています。
介護虐待がおきるなら、その延長線上に「介護殺人」が起きるのは当然でしょう。
ちなみに
- 被害者は女性が多い
- 加害者は男性が多い
といった点は「介護虐待」と共通しているようですね。
在宅介護の現実:神戸で起きた悲しい事件

加害者は22歳(女性)。
被害者はかつて自分を引き取ってくれた祖母。
祖母の認知症が進行し、徘徊や暴言などで耐えきれなくなったのでしょう。
ちなみに加害者も自殺未遂をしていたとのこと。
入居施設の利用も考えたようですが「親族に反対」されたようです。
これが在宅介護の現実です。
「仕事と介護の両立はできない」と思っておきましょう。
公的サービスを軽視した結果では?
しかし、こういった情報やニュースをみて思うことは「福祉(介護、保育)のような公的サービス」が機能していないからじゃないのかなと。
社会福祉サービスは充実している?

現実には介護&保育のような福祉サービスは充実していません。
理由としては
- 慢性的な人材不足
- ブラックな職場が多い(重労働、低賃金)
- 問題があるにもかかわらず政府が対策していない
介護保険や幼児教育の無償化(自治体にもよる)など、サービスを利用する側にとっては良い方向に進んでいるように感じているかもしれませんね。
しかし現場で働いている職員は、すでに悲鳴を上げています。
今後は施設の人手不足による「受け入れ拒否」が起きる?
今後は、在宅介護で大変にもかかわらず「介護職員が足りていないことで施設への入居を断られる」ケースが増えるでしょう。
在宅介護が増えた未来に、希望はもてそうにありません。
「虐待」をなくしたい→現場で働くヒトのことを考えよう

介護や保育サービスが充実すれば「虐待」の数は減らせるでしょう。
とくに今回のテーマでもある「在宅介護」による高齢者への虐待。
介護の人材不足が解消されれば、施設への入居も検討しやすくなります。
少なくとも「家族による虐待」は減るでしょう。
加害者にならないためにも「在宅介護」で悩む前に、施設の利用ができるか確認しておくことをオススメします。
”入居施設の利用を考えている方へ”
老人ホーム検索サービスがあることをご存知でしょうか?
”無料”で資料請求や見学が可能となっているので参考にしてみてください。
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