
介護施設で機能訓練指導員として勤務、あるいは転職を考えている「看護師さん」に向けた内容。
実際に介護施設で勤務する「看護師さん」からいただいた意見をもとに作成。
現在、デイサービスで機能訓練指導員(柔道整復師&鍼灸師)として勤務している目線から書いております。
この記事は5分で読めます。
デイサービスや特養の求人を探していると
”機能訓練指導員”
という項目を見かけることがあります。

機能訓練指導員てどんなことをするの?
機能訓練指導員とは?
「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」とされており、実際に利用者に対して機能訓練の方法等を指導し訓練を実施。
対象資格:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、※はり師、※きゅう師※施設における実務経験6か月以上で機能訓練指導員としての業務が可能
出典:厚生労働省HPより
イメージしやすい言葉に置き換えるなら「リハビリ」が一番近いと思います。
病棟勤務をされていた方なら、理学療法士や作業療法士の先生が思い浮かぶのでは?
先日、このようなツイートをしました。
前述したように、機能訓練指導員の対象資格として「看護師」も含まれています。
とはいえ、整形外科で看護師としての勤務経験があっても、セラピストととしての経験とまったくの別物です。
今回の記事では、機能訓練指導員として勤務している目線から、看護師さんならではの問題点および解決法を考えてみたいと思います。
”看護師”が機能訓練指導員てどうなの?

実際に自分が勤務する職場の関連施設では、看護師さんが「機能訓練指導員」として勤務されています。
DVDやYOUTUBEなどを利用するなど工夫はされていますが、なかなか思うようにいかないとのお話が・・・
”看護師さん”ならではの問題点
- 看護師であることが不利に働く?
- 利用者さんは「機能訓練指導員」というものを知らない
- 常勤だと、慣れが出てしまい緊張感が少ない
看護師であることが不利に働く?
利用者さんにとっては「看護師=体調管理&身の周りの世話」をしてくれるヒトと認識されているでしょう。
なかなか、機能訓練(リハビリ的なこと)を一緒にやるというイメージがわかないと思います。
利用者さんは「機能訓練指導員」というものを知らない
当然です。
そもそも、利用者さんも看護師さんのことを「機能訓練指導員」とは思っていません。
(悪いことではないのですが^)
常勤だと、「慣れ」が出てしまい緊張感が少ない
普段から介護士さんと協力して、身体介助や身の周りの世話などをしていると利用者さんにとっては、良くも悪くも「慣れ」が出てしまいます。
お互いに緊張感がなくなると

頑張って身体を動かしてほしいのに・・・
あまり顔を合わさない、あるいは外部からのセラピストの方が、利用者さんにもイイ緊張感が出るのではないでしょうか?
「老健」と違い理学療法士や作業療法士がいない
デイサービスや特養では、あまり見かけないのが実際のところ。
専門職に聞けない
というのはやはり不安だと思います。
看護師の業務と並行しながら「機能訓練指導員」として勤務されている方が多いのでは?
(まだリハビリ経験のある柔道整復師などがいればマシなんですが・・・)
人員配置に問題はありませんか?
個別機能訓練加算Ⅰを算定する場合は「常勤、専従」の”機能訓練指導員”として配置される必要があります。
(個別機能訓練加算Ⅱでは専従でOK)
機能訓練指導員として「専従」している時は、”看護師”として配置されていません。
利用定員が10名を超える職場では注意しましょう。
流れ作業みたいになっている?→個別ⅠならOK
ネットや動画で色々な情報が手に入るとはいえ、実際に自分が行うとなると思うようにいかないもの。

運動自体は簡単なものなんだけど伝わらない・・・
映像をみながら一緒にやってはみるものの、
経験のないことを他人に伝えるのはハードルが高い・・・
気が付けば
同じDVDを何回も流してる・・・
はじめはそれでもOKです^^
老健と違い「回復目的ではない」のでとりあえずは身体を動かしてもらいましょう。
迷ったら「下肢の運動」をやってみよう

迷ったら「下肢の運動=脚の運動」を中心にやることをオススメします。
「個別機能訓練加算Ⅰ」については身体機能向上を目的とします。
当該計画に基づき、身体機能向上(座る・立つ・歩く
厚生労働省HPより引用
等ができるようになる)を目指すことを中心に機能訓練を行っている場合
にて算定できるようになってます。
ということは、下肢の運動をすれば上記の身体機能向上のうち
立つ、歩く
に関連する運動となります。
また、「個別機能訓練加算Ⅱ」については生活機能向上を目的とします。
当該計画に基づき、生活機能向上(トイレに行く、自宅のお風呂に1人で入る、料理を作る、掃除・洗濯をする等)を目的とする機能訓
練の項目を準備し、機能訓練指導員が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練
生活機能向上→トイレに行く、風呂に入る
ということは
移動(自分の脚で歩く)が必要
=下肢が動かなければムリ
となります。
日常生活をおくるうえで、下肢の機能が衰えてしまうとADLが極端に下がります。
個別機能訓練加算Ⅱに対する訓練を行う前の準備として、行うことができればベストでは?
個別機能訓練加算Ⅱを算定する場合は、DVDなどをみて運動するだけでは要件を満たしているとはいえないでしょう。
「移動」に対して行う訓練の例として・・・
- 歩行訓練(歩行器や手すりを利用→歩行の感覚を身につける)
- 昇降運動(足置台や階段を利用→段差を上がるために必要な脚の感覚を身につける)
などがあげあれます。
個別機能訓練加算Ⅰなら簡単な運動でOKだし、個別機能訓練加算Ⅱにしても看護師さんが「移動介助」を実施すれば算定は可能です。
(もちろん計画書に記載していることが前提ですよ^^)
具体的なメニューについては、また書いてみたいと思います。
まとめ 内容よりも利用者さんの「やる気」が大事
以上、機能訓練指導員てどうなの?【看護師さんは大変かも】についてまとめてみました。
機能訓練指導員の仕事をしていて思うことは「利用者さんのやる気が感じられない時」が一番ツラく感じます。
利用者さんが楽しみながらできる環境を作ることができれば、運動自体は簡単なものでも効果でやすくなります。
機能訓練の内容も大事ですが、まずは「利用者さんのやる気」を引き出すことを考えてみては?
コメント